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歯周病を治したい!どうやったらいい?抗生剤で治せるの?その1

結デンタルクリニック津田沼です。

今回は歯周病は抗生剤で治るのかどうかという疑問に迫っていきたいと思います。

まず歯周病とはどのような病気なのでしょうか。

日本歯周病学会ガイドライン2022guideline_diabetes_2023.pdf (perio.jp)によりますと、歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患であるとあります。

なるほど感染性の疾患なんですね、ではその菌を除菌できればいいわけですね。

では歯の周りについている歯垢に抗生剤を作用させて、菌を殺菌してしまえばいい!となりますが、残念ながらそのアイデアはすでに効果がないことがわかってしまっています。

バイオフィルムの存在

流しの排水溝やお風呂の排水溝はお掃除をさぼっていると、ねばねばした汚れが付いてきますよね。でもこんなねばねばしたもの流してないのになんで?と思いはしませんか。かくいう私は思っていました。このねばねばはバイオフィルムといいます。

細菌はある量に増殖するとコロニーとなります。コロニーが形成されると、外界から自分たちの身を守るための巣を作ります。巣はねばねばとしたジェル状の膜でできており、細菌はこれを周りにまとい外からの温度変化、環境変化から影響を受けない状態となります。

このバイオフィルムができてしまうと、この中にいる細菌には抗生剤が届かず効果がありません。

歯垢

一方、歯の周りでも同じ現象が起きています。歯の周りに着くバイオフィルム。それが歯垢です。つまり、歯垢は抗菌剤に耐性がすでにあるということです。つまり歯周病は抗生剤では治らないということになります。

恐ろしいですね。ではこの菌が歯の周りで害をなさないようにするには、薬の力以外でバイオフィルムを壊す必要があります。どうしたらいいでしょうか?

物理的に壊す

そうなんです。このバイオフィルム=歯垢は薬剤には強いですが、外からの物理的な力には弱いのです。そこで先人たちが効率的にこのねばねばを落とす方法を考えてくれました。これが歯ブラシによるブラッシングです。

だんだん歯ブラシってめちゃ重要なんじゃない?と思われてきましたでしょうか。

過去に歯ブラシは材質が馬尾毛や豚毛など様々な材質、大きさ、硬さのものが乱立していました。私が子供のころは、毛先がQ(球)という毛先が丸くなっている歯ブラシや、ヤマギリカットの形状が変わった歯ブラシなど、その時期、時代によって現れては消えていきます。

もう答えが出ている

すでに歯ブラシは形状、排列、硬さ、材質において最も歯垢が落としやすいものは研究によって答えが出ています。

またどの道具を選ぶかと同時に、使い方が重要です。つまりブラッシング法ですね。

当院ではこの歯ブラシの選択から、ブラッシング法までしっかりレクチャーさせていただきますので、ご興味がある方は結デンタルクリニック津田沼でお待ちしています。

参考文献)どんな歯ブラシがいいかを考えるにあたって参考にした論文です。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28173609

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37195331

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32918023

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30152076

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12846261